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自作スパンカー

スパンカーを自作しました。

ホームセンターであれこれ部品を見繕って作ってみました。思ったより上手く出来ましたので自作派の方の参考になれば嬉しいです。

画像はクリックで拡大します。



私のボートは14.2ftですので、サイズは小さめにしました。

マストのパイプに19mmのアルミ丸パイプパイプを使用しました。ブームは12mmの角パイプ使用します。
一番の問題はジョイント部分ですが、何とか上手く解決できました。


帆の部分は、仕事場にあった化繊の布を ちょちょいと加工して作りました。縫製は本職ですのでお手の物です(笑)いずれパラシュートクロスかなんかで作り変える予定です。


材料は以下のとおりです。この他ネジ類少々と木材などを使用しました。意外と安上がりです。
材料 数量 単価 金額
アルミ丸パイプ19mm×2m 1本 1,000円 1,000円
アルミ角パイプ12mm×1m 3本 430円 1,290円
ステン丁番 1ヶ 160円 160円
パイプベース 貫通 鋳物 1ヶ 130円 130円
パイプベース 端 鋳物 1ヶ 130円 130円
ジョイント用キャスター 3ヶ 60円 180円
曲げ金具(蝶番とセット) 1ヶ 420円 420円
ナイロンクリート 2ヶ 200円 400円
カムクリート 2ヶ 1,410円 2,820円
ステンアイストラップ 5ヶ 110円 550円
蝶ネジ 1ヶ 50円 50円
帆布(アリ物)      0円
ロープ 3mm 15m 25円 375円
合計     7,505円



今回の製作で、一番のキモはこのキャスターです。1ヶ60円!
これを思いついたので、作ってみようと思ったんです。

このキャスターをコロを外してジョイント金具として使用しました。心棒の片側のカシメをディスクグラインダーでそろそろと削って(再利用するので削り過ぎないように)、先をつぶした釘をあてがい、ハンマーで叩き抜きました。



アッパー・ジョイントです。

アルミ角パイプに穴をあけ、コロを外したキャスター金具に装着します。外した心棒を再利用して、ハンマーで叩いてしっかりカシメます。





ロアー・ジョイントです。

ステン蝶番にキャスター金具のジョイントをブラインドリベットで2ヶ取り付けます。
同様にアルミ角パイプ(ブーム)を2本取り付けます。
ロアー・ジョイントにはワッシャーを2枚はさんで、パイプと金具の隙間を小さくしています。




ロアー・ジョイントを丸パイプに取り付けます。

19mm丸パイプ用の曲げ金具を、蝶番とボルト・ナットで止めます。
今回の蝶番は板の厚みが薄く、少し弱かったみたいです。もっとごついものにするか、アルミの3mm厚ぐらいの板を補強であてがった方が良いかもしれません。



マストの完成です。

アッパー・ジョイントはブラインドリベットでカシメて止めます。
ヘッドのアームは帆をつけてからカットしました。




帆の部分を作ります。ミシンは本職ですのでお手の物でした。

ラフ(前端)の部分をワサ取りして、裁断します。

先ず、ブームの付け根になる部分にY字に切り込みを入れて 三方向に開いて三巻にします。

次に@の部分に細引きロープを入れながら三巻縫いします。
ロープはバイアス部分の伸び止めですので、ストレートテープなどを貼っても構いません。

Aヘッド(トップ)の部分を2枚合わせて裏から縫います。そのままひっくり返して5cmのところを表から縫います。トップが筒状になりますので、この中にヘッドの角パイプを通します。

Bの部分を1枚ずつ三つ巻き縫いします。それぞれにフットのブーム用の角パイプが入ります。

後は角に各々細紐を縫い付けて、要所に補強の閂止めをいれて完成です。このサイズなら金属ハトメは必要ないと思います。錆びちゃいますしね。



この他に必要なパーツです。

ヘッドの先、ブームの先×2、マストの先と中間点にアイをつけます。
ナイロンクリートも図の位置に2ヶ取り付けます。

カムクリートはトランサムの左右に1ヶずつ取り付けます。



マストのパイプは、パイプベースで固定します。
貫通型の方に穴をあけてタップを切り、蝶ネジを取り付けます。このためステンタイプではなく鋳物のメッキタイプを使用しました。ステンタイプを使用するならナットリベットを使用するといいでしょう。

エンド・キャップはマストの上下につけました。



ロープはヘッドの先に1本 左右のフットからカクムリートに各1本と 開きを調整するため 左のフットから右のフットに通してマストの中央に1本 計4本必要です。左のフットの真中あたりにOリングをつけて通しておきます。(画像参照してください)
畳むときはマストの中央に繋いだロープ以外を緩めてから そのロープを引っ張ればフットのブームが持ち上がります。後はぐるぐる巻きですね(笑)


完成画像です。なかなか上手く出来ました(自画自賛)。

たたんだ状態 広げたらこんな感じ 後ろから マストのベース 高さを稼ぐ為に桜材でベースを作りました


マストは丸パイプが2mしか市販されてないので、高さを稼ぐ為に木でベースを作りました。ヘッドのパイプをカットした余り材を補強の為マストの下端に挿入しています。ほぼぴったりおさまります。
スパンカーを常用するのであればマストパイプはもう少し太目のパイプの方が良いかと思いますが、私の場合はフットコンが付いているので、シンプル・計量タイプにしました。でも使わないとき外しておくと長いので邪魔です。(笑)


ボートエギングなんかは 沈めるのに時間が掛かりますので 船が風に流されないようにする工夫が特に必要です。

1.エンジンをバックに入れてスターンを風上に立てる 波の高いときは打ち込みが煩わしいです。
2.パラシュートアンカーを入れる 回収が面倒です カーペットがビチャビチャになりますね。 
3.スパンカー バウエレキなどでバウを風上に立てる コレはかなりいい感じです。
4.どこかに引っ掛けるかアンカーを打つ 最近はイケスに掛けると怒られることが多くなってきました。

スパンカーを立てて バウのエレキをまわしっぱなしにすると ホントいい感じで止まりますよ。
もちろんエンジンでもOKですが ウチのは2ストなので、ウルサイ臭いカブるですので エレキの方が良いです。
ちなみに 風の強さに応じて 2枚の帆の開き加減をロープで調整(風が弱いときは開く)します。ぴったり決まれば快感ですが スパンカーが使える条件として バウにフィンキールか抵抗になるもの(エレキでも良い)が必要になります。船によっては表刺し舵やキールの追加が必要になりますので どんな船にもインスタントに使えるわけではないです。少しずつアレンジしてみてください。

オートパイロットのエレキはスパンカーいらずでとても楽ちんですが バス上がりなのであのペダル操作にはどうもなじめません。でも次はコレにするかも。


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